牧場物語プレイ日記という名の怪文書を発掘


2019年のフォルダからプレイ日記が出てきた。

キッッッモ!!!!

という内容だったので載せる。

以下。


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【牧場物語 再会のミネラルタウン で大恋愛をした話】


○牧場物語と私

 子供の頃にやりこんだ牧場物語がスイッチで発売。どうぶつの森のために機体を購入したが、これ幸いとDL購入した。

 牧場物語はGB・GB2・GB3・ミネラルタウン・DS1作目の計5作を遊んでいる。期間は小学生~中学生くらいにかけてだろうか。


○男主人公 ピートじゃないと嫌な理由

 私は男主人公でしか牧場物語をプレイしないと決めている。ミネラルタウンも男主人公のみプレイしていた。

 というのも、GB時代、女主人公で結婚をしたらゲームが終了した記憶が濃いからだ。『女主人公に於ける結婚は人生の墓場』がトラウマと化していた。

 他にも、攻略本に載っているまつやまいぐさ氏が描く漫画のピートに親しみを持っていたということもある。また、GBシリーズ出身なので、サラ以外の女主人公、クレアはいまいち親しみがない。故に男主人公で名前はピート、というテンプレートが崩せなかった。そもそもゲームをするときに自分の名前を入れるタイプのプレイヤーじゃないしね。


○旧ミネラルタウンの思い出

 記憶はかなり薄らとだが、ヒロインの顔を見て思い出すところも多い。なんせヒロイン全員と一回は結婚している。

 実際にゲームをやって思い出したこともある。一番最初にプレイをしたとき、一年目でクリフがいなくなってけっこうショックを受けたことだ。そう気にしていたキャラでもなかったが、いきなり消えてしまうのはダメージが大きかった。

 ヒロインはそれぞれ可愛いのだが、ガールで攻略できる男性キャラの中では医者が一番好きだった。どこが? というと覚えていない。すまんの。

 GBシリーズとの記憶の混合が著しい。神父もGB2のカインの方が記憶に濃く、これを書くために改めて調べて「あれ? そうだっけ?」ってなっている。カインかわいくないですか? 再登場ないのかな……。

 でもこの記憶の混乱が今回の起源でもある。


○プレイ当初

 今回も男主人公ピートで開始した。恋愛要素はおまけ程度、淡々とした牧場の運営が一番の目的だった。

 ここまでの牧場物語経験としては、女の子は可愛いけれど、男の子はそこまで好みのタイプがいなかったということが多い。もっと言うと、基本の攻略キャラに心躍らず、DS1作目のときなんかはプレイ開始直後は攻略できない女性に毎日贈り物をするというストーカープレイの後に魔女様に乗り換えたりしていた。奥さんもさぞほっとしたことでしょう。なんやかんや漫画のピートが多分一番好きだったんだろうな……。

 ソシャゲをやっていても女子以外はなかなか顔で推すことができないため(刀剣乱舞の小夜左文字とかあんすたの瀬名泉は特例)特に狙いを決めることなく「正直、神父が推しだし、結婚できないし、女の子はみんな可愛いし、流れに身を任せようかな……」くらいに思っていた。そう、私はカーターとカインを勘違いしている。神よ、許せ。

 全員の好感度を立てつつも、神職者を思い続けるプレイもよかろう。そう思いながら教会に通っていた。


○あれ? 同性でも好感度イベントが進む?

 そう気がついたのは道具の改造で通う頻度の高いグレイだった。なんかイベントが進んでいるっぽい。サイバラと喧嘩している。

 町の住人の好感度を上げるのはお決まりの攻略だ。攻略対象外でも好きそうなものを配る。とりあえず最初はとれたてぴちぴちの農作物を配って様子を見たりする。

 同性の好感度イベントって友情イベントか、なんかアイテムとか貰うのかな、くらいに見ていた。


○好みの法則がわかってくる

 ポプリは果物やたまご。エリィにはお花。グレイは鉱石。という感じで手探りに進めていくのは楽しい。

 教会にはたいていとれとれピチピチの農作物を持ち込む。教会に通う中、隣の病院からドクターが出てくるのが目に入った。声をかけると薬草を探しに行くのだという。

 そういえばこの人、汁キャラだったな(乾汁的なオリジナル汁を飲ませる人をそう呼んでいる)。薬草を渡したら喜ばれた。そうか。安上がりだな。というように、足なりにドクターへ薬草を持って行くようになった。


○家の増築のために木こりの家へ通う

 出かけたときにちょいちょい見かけるブランドン。木こりの家では彫刻をしているから、材料系が好きなのか? と推測して鉱石を渡すも「……」という渋いリアクション。翌日、ゴッツに木材を渡したら喜ばれたので、ブランドンにも木材を渡してみる。めっちゃ喜ばれる。アッハイ……なるほどね……。

 その翌日だ。ブランドンの二回目のイベントが起こった。変なヤツだ。少し悩んだが、飾ってあったので選択肢の「猫」を選んだ。なんか喜んだ。厨二病だ……。木材の差し入れをするために、一回家を出てもう一回家に入ったら、なんか三回目の好感度イベントが起こった。えっ? イベントって続けて起こるのかよ! 彫刻を貰った。厨二病だ……変なヤツだ……なんか癖になってきた……。

 妙な興奮のまま外に出たら、巡回中のハリスさんに「なにかありましたか?」的なことを聞かれる。変な体験をしました……! ブランドンが気になってきていたが、多分これはタイミングが良すぎるハリスさんがとどめをさしたのだと思う。


○好感度が上がり始める

 いろいろなキャラの好感度が上がり始めた。最初にアイテムをくれたのはランだ。壊れたオルゴール? これなんだろう? という状態だったが、これが一つの好感度の目安だと気がついたのはドクターから加湿器を貰ったからだ。

 ドクターの好感度イベントの二回目は、好感度が下がる選択肢を選んでしまった(汁から逃げた。悪いことしたかな……というメッセージが出た)。エリィにドクターから呼ばれていると言われて多少は嫌な予感がしたが、まあ前回逃げちゃったし……と思っていたら、加湿器を貰った。イベント失敗しても取り返しがつくんだ!

 この人、ちょっとズレてるけどいい人なんだよな……見た目に反してけっこうボーッとしている内面のギャップにやられていた。エリィのイベントや、リリアさんにつきそう姿を見ていると、優しいところが……ね……? 台詞の端々に毒がなさすぎるところが少々ものたりなく感じるところもあったけれど、これが育ちの良さなのではないかと思い始めていた。この頃にはもう完全に私の心のフラグが立っていた。

 それから、グレイにブレスレットもらって、その照れ顔の可愛さに「俺のこと好きなのでは……?」と勘違いをした。あとはエリィに押し花を貰ったりしたけれど、さっぱりした家族ぐるみのイベントだったのでときめきは特になかったかな。


○牧場物語でツイッターを検索する

 えっ。同性結婚ってできるの!?

 結婚は流れでいいや、女の子はみんな可愛いし、カーターさんとは結婚できないしな……と思っていた私だが、現金なことに途端にドクターとブランドンを意識しはじめる。

 牧場物語では、私はどうしても男主人公じゃないといられないのだ。結婚したらゲーム終わっちゃう……というのが忘れられないから。だからどうしても男としてプレイをしていた。この辺りから心と体の性が不一致になってきている。


○ランの好感度イベントを最初に完了する

 ランの4回目の好感度イベントが卑怯だ。生い立ちの話のあとに、父親からランはどうだと聞かれる。

 同性婚を知る前ならば、私は一も二もなくランを選んでいただろう。子供のときにはそんなに好きなタイプではなかったけど、大人になってからラン好きになった……めっちゃいい子……お父さんもいい人だし、ランと結婚したら間違いなく幸せになれると思う。

 でもな……もう私には好きな人がいるんだ……。

 めちゃくちゃ苦しみながら「友達」の方を選択した。

 違うんだ……ランに落ち度はないんだ……私が……私がすべて悪いんだよ……本当にごめんな……ウッつら……。

 思わず教会に懺悔に行った。私の罪を晴らす選択肢ないやんけ。ちくしょう。懺悔させてくれ……。


○プリザードフラワーとお月見

 ドクターか。ブランドンか。夏の終わりから秋のはじめ、毎日貢ぎ物をしながら悩んだ。

 ドクターの四回目の好感度イベントはとてもよかった。可愛かった。正直、私も最初はとっつきにくいと思っていたけれど、今ではその不器用さが好きだ。

 ジェフからプリザードフラワーを貰った。年齢のせいか帯妻者の気苦労に同情的になってしまいジェフへ胃に効きそうなものをちょこちょこ贈っていたが、奥さんのことを大事にしているんだなぁ、優しい人なんだなぁ……というのが渡してくれるときの台詞から伝わってきた。

 俺は……これを……誰に渡せば良いんだっ……!

 オレンジヴィーナスだって、ヒかれるかなって渡せなかった……俺、男だけどいいっすか……? なんで同性婚OKなゲームでこんなにも悩んでいるのだろう。肉体と精神の性別の不一致が起こっている……でもこのゲームを女の子でプレイすることは私にはできない……。

 悩みながら作業を続けた。秋は掻き込れ時だ。いくら時間があっても足りない。

 そもそも私はドクターのどこが具体的に好きなんだ? わからぬ……別段好みのタイプではない……白衣は好きだ。優しさで言うと攻略対象の子達はみんな優しいし可愛いぞ……なぜ私はドクターが好きなんだ……。

 お月見の時期のブランドンの台詞、とてもよい。完全に妙な癖になっている。普段は好感度が変わっているのかどうかわからないくらい喋らないので、もっといろいろ聞いてみたい。

 お月見の日が来た。花火大会みたいな感じかな、と思って行ってみた。

 ドクターがいた。

 一緒に月を見た。

「あ、この人と結婚するんだ……」って思った。

 スイッチのグラフィックを生かした最高にロマンチックなイベントだった。運命を感じてしまった。覚悟が決まった。ドクターの誕生日に告白しよう。


○遅れてやってきたブランドンの好感度イベント

 その翌日くらいにブランドンの四回目の好感度イベントを見た。放っておけない面白いやつだ。でも、もう遅いんだよな……。お月見の日にブランドンが来ていたら、私はブランドンを選んだのだろうか……? 今はもうわからない……。

 ドクターの誕生日にプリザードフラワーを渡した。気持ちを受け取ってもらった。あとは結婚に向けて頑張るだけだ。

 牧場も順調だ。クリフも町に残った。きっとそのうちに噂が広がるので、そういうことだったのだとヒロインたちには諦めてもらえると嬉しい。好感度が進んでいたランもエリィもポプリも、一人で抱え込まない環境だからいいよね。エリィからしてみるとおっさんずラブの蝶子さんみたいな気分になるだろうな……エリィとも結婚したことあるしな……ランはちづかな……。

 こんなに悩む牧場物語は今後できないような気がする。


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勝手に悩んでろよ……と思った2022年現在。