ゲーム感想「神々の悪戯(PSP)」



【あらすじ】

今更なので私が書くこともないでしょう。



【攻略順】


月人→尊→ロキ→アポロン→バルドル→ハデス→アヌビス→トト


メイン3人(?)から好みに近そうなダウナー系を選びました。

感想は攻略順に。

また、どうしても気になる場合以外は、

ルート回収はせず、基本1つしかEDを見ません。

他ゲームの話をするのはご愛嬌。




【人物・感想】


《戸塚月人》恋愛ルートED2


家庭環境のせいで感情がないそうです。

いきなり歌舞伎役者のような方が兄だと登場したり、

弟がやたらとベタベタしていたりと、なかなか不思議な人間関係。

突飛な行動をする中に独特の儚さがあってよかったです。

遠足に行くシーンで異常性を出してきたのは面白かったし、

周囲が月人のために一生懸命になっているのが

読んでいて優しい気持ちにさせましたね。


けっこう前にやったせいか、

内容的にはどんな話がいまいち覚えていないのですが。

ED2のため、人間界まで追いかけてきました。

刀剣乱舞やってる女としては「pixivで見た」という良い展開でした。

彼は人間の世界でもそこそこやっていけそうですね。

尊ルートで書いてた小説は官能小説だったらいいなぁ。


《戸塚尊》恋愛ルートED1


不良少年を熱血優等生のヒロインが剣道で更正させるような話でした。

相手を女の子だと認識したうえで真摯にスポーツで向かってくるのが新鮮でした。

ヒロインの草薙ちゃんは恋愛感情を抱いたようですが、

プレイヤーの私は一方的な友情を感じてしまいました。

本当にいいやつ過ぎて、こんな友達いたらいいよね……と。

ハデスルートでも彼には熱い友情を感じます。いいやつ。


尊の退学を取り消しするため山に登るシーンなんですけど、

「ミスフルで猿野が犬飼おんぶしてたシーン思い出して胸熱~!!!!」

でした。なんかごめん……。

同じ世界に行くことを伝えるシーンのセリフは

刀剣乱舞の女には「pixivで見た」感があってとても嬉しかったです。


《ロキ》恋愛ルートED1・ED2


楽しく学園生活してました。楽しかったです。

彼のお色気はツボが違うためあまり魅了されなかったのですが

ともかく自分に素直で常に楽しそうなところが魅力的でした。


感想を見た先ではバルドルがヤンデレと言われていましたが、

どちらかというとロキがバルドルにヤンデレている気がします。

でもごめん。私にはもうトールしか見えない。君じゃない……。

ロキに揺さぶりをかけるためにトールが色々するシーンが

とてもツボでした……聡明で静かで優しい、好き……。


特に人間嫌いが明らかになったときのロキへの挑発が萌えました。

破天荒なロキが仲間内から愛されていることが見えて、

優しい気持ちになれる話でしたね。

恋愛ルートED2は、トールやバルドルを置いて

お前だけ人間界に来るなんてそんなことやめろよ!

仲間を選んでくれ!あんなにいい仲間なのにお前は!

という気持ちになりました。


≪アポロン≫宿命ルートED2


正直、暑苦しいなこいつ……と思って見ていたのですが、

個別ルートに入ると更に内面の面倒臭さが露呈してしまい。

演劇の失敗では周囲が頑張っていたこともありヘイトが溜まりました。

ただ、父親ゼウスとの話になるとぐっと面白くなってきました。

ハデスが気遣いやのいい人で、これまたハデスに目が逸れてしまったのですが。

クライマックス付近は胸熱。

これからハデスと仲良くやっていく、という話はほんのりいい感じでした。

ハデスED見た後だと、ハデスにとっても救いだよな……と思いますし。

口癖がしつこくてうっとおしいやつだな、と思っていたのですが、

最終的には我慢のできる頑張り屋という印象に変わりました。

そのあとの他キャラ攻略時の登場では好印象になりました。


≪バルドル≫宿命ルートED2


正直、バルドルは他キャラルートのときのほうが好印象です。

話の骨子は面白かったのですが……ロキ可愛かったし……。

相打ちをしたロキは男気を見せたと思いますし、

それならもっと仲良くしておけばよかったくらいの気持ちになりました。

個人的にはバルドルとロキで愛憎混じる身の割けるような三角関係の末に

相打ちで両方死に残される話が見たかったです。虚無感すごそうで。

相変わらずトールがいい仕事していますね。


≪ハデス≫恋愛ルートED1・ED2


最初に書きますが、個人的に一番好きな話です。

アポロンルートから気になっていましたが、部活の描写が楽しく、

頑ななハデスに接近して心を開いていく描写が納得できたので、

話の導入は期待度が高く、そのまま最後までぐんぐん読まされました。

部活メンバーとの一体感がすごい……部活楽しい……

一番笑ったのは大福にいちご入れたときの

「幸せに幸せを重ねて大丈夫なのか」みたいなセリフ。

ハデスは妖精さん(・ワ・)なの?可愛すぎない?大丈夫?


冥府の住民になるED1、最高過ぎました。

リップ音は、まあ、想いの深さということで……。

セリフから地の文までロマンチックすぎてED2を見たあと戻ってきてしまいました。

というのも、ED2のハデスが抱きしめた後に突き飛ばすシーンは

振り向くことを期待している節もあるように見えました。

相手のことを思うと冥府に残って欲しいと言えないハデスと、

ハデスに惚れたから不安になって振り返った草薙ちゃん。

これは完全にヒロインが異形に魅入られる形だったなぁと……。

一番神様と恋愛している感があってよかったです。


ハデスが先を歩けば問題なく草薙ちゃんを現世に帰すことができます。

そこを後ろからついていくところに彼の言葉にしない気持ちがあると思いました。

冥府での暮らしの中でずぶずぶの共依存になりべったりな二人とか、

じょじょに感情を失っていく草薙ちゃんを嘆きながらも

罪悪感と愛で尽くし続けるハデスとか、

精神的に病んで退廃的な爛れた生活を送る草薙ちゃんを介抱するハデスとか、

その後のバリエーションを想像するだけで飯がうまいです。

おかわり!!!!!


ED2で草薙ちゃんを「守る」とチラっと出てきたハデス、

愛が深すぎて思わず泣いてしまいました。こういう話好っきやねん。

この二人は、お互いに駆け引きのないところが非常に好感です。

好感度が上がる草薙ちゃんの選択̪肢も、

重い愛情を暖かく受け止める感じがよい。

話が重いというより、ハデスが重いんですよね……。

ついでに、ゼウスの好感度が跳ね上がりました。

私はハデスはおじさん、ゼウスはおっちゃんと呼び分けています。

うえええんまだ語り足りないよぉおお……

私の気持ちはもっと最高を伝えたい……




エロゲーのEDです。カタギリメグミハオレノヨメ。

この曲が頭に浮かび、クリア後に聞いてました。

なんで歌詞こんなにドンピシャなんだろう……。

ついでに主人公の声が……まあ裏名義なので置いといて。

小野D、一気に好きになりました。


≪アヌビス≫ED1・ED2


導入がわいわいしていて楽しかったです。

クラスのみんなが優しくて嬉しい。

まあ、最近「みじんこ!」しか言わないヒロインの漫画を読んだし

「うー」とか「るー」とか「ちぃ」しか言わないヒロインも通過したので怖くない。

初クリア時は彼のルートがこの作品の何を示しているのかわかりませんでした。

トト様をクリアした後に思ったのですが、

エジプト神はディスコミュニケーションがテーマなのかな、と。

どちらかというと、トト様ルートで出てくるアヌビスのほうが好きかも。

欲を言うと、もっと本筋に近い話だと嬉しかったです。世界滅ぶ系の。

あと、トト様に向かって愛してるって言う練習したの?


≪トト≫ED1・ED2


お前のためにこのゲームはじめたんだぞ?

本当に顔がいい。すべてを許す。(この場合の顔はキャラデザを指します)

というより、顔と声と色気とセリフ回しがなければ、

彼はいいところがほとんどありません。

有能さは短いシナリオで頑張って表現されていましたけど。

本質的には真面目で責任感があり、努力家らしい、

というところがせいぜいでしょうか。

ともかく子供っぽい。そして性格は悪いんです。


好感度が下がる「どうしてそんなに冷たいのか」という問いに対して答えた

「別にこっちも傷つけるつもりじゃないかもしれないだろう」というのが

おそらく彼の本音であると踏みました。

ちょっと挑発すると怒って本音が出る……?そんな選択肢……?

まあそこが可愛いんですけどね。

そこが好きなんですけどね……。

可愛いんですよ……ダメンズウォーカー的には……。


いろいろ言ってたけど、彼の傲慢さは自信のなさを隠すためかと。

苦手なものがないと言ったり、寂しいということを言えない虚勢も、

完璧主義というよりは彼の子供っぽさですね。

ハデスのほうが億倍大人でした。

アヌビスを近くに置いているのも、彼の純粋さが安心するのでしょうね。

あとトトのわがままに付き合うのは普通の精神力では無理ですしね。

トトはアヌビスの保護者面していますが、跡部と樺地の関係だと思います。

アヌビスが近くからいなくなったらトト様は寂しさで世界滅ぼしそう。


壁ドンチューあたりでは何を考えているかわからなかったのですが

後ろからハグして「すべてわかった」とあっさり引いてしまうところや

「いつも通りの反応をする」で好感度があがるところなんか

彼の繊細さや心の弱さがありありと書かれていて面白かったです。


トト様は多分、寂しがりだけど他人には興味がなく、

変なところに自信がないからマウントしたがりで、

そのうえ経験値が低く傷つくのが怖い臆病者、

だけど思い込みの強い自信家だから詰めが甘い。

アヌビスとの関係を見ていると身内贔屓で甘え癖がありますね。

そういう弱さが恋愛ルートでのヒロイン消失を招いたのでしょうね。

あれはトト様、中二病を暴発させていたとしか言えません。

ハデスはED1で賭けに大勝利してるので詰めって大事。

トトの恋愛ルートはハデス恋愛ルートED1と比較するのがいいかと。


冷たくしているのに急に接近されて草薙ちゃんドン引きしてましたが、

もしかすると距離の詰め方がわからなかったのかもしれません。

顔と色気でなんとかカバーしていましたが、これR18ゲームではないので……。


トト様の「生死って?」「人間って良いの悪いの?」は、

人間を作ったはいいけど自分では体感できないからわからない、

という感じでしょうか。

子供みたいな質問と思考……神様がその程度だから人間界は糞なのでは。

彼の仕事のレベルが知れた気がしますが、このゲームにそういう含蓄を求めてません。

嘘です……トト様に含蓄求めてました……圧倒的カリスマ性が欲しかったです……。


彼は相当に人の気持ちがわからない男です。

その不器用さを本人も苦悩して恋愛面でこじらせているのが面白いですね。

草薙ちゃんに惚れた理由は明確になっていませんが、

おそらくあの態度で振り落とされずに接触を続けてくれたことが

トト様的にはうれしかったのだと解釈しています。

おまけシナリオにも書かれていましたし。

だから、壁ドンで拒まれたのはトト様的にもショックで、

それからどう接していいかわからない……というところで

再度、後ろからハグして誘ってフられて落ち込む。

言葉責めのようなセリフも、トト様自身が思ってることなんでしょう。

でもプライドが高いから相手から乞われないと嫌という面倒くささ。

実行力のある不器用……可哀想すぎて面白かったです。

宿命ルートの後日談のおまけシナリオではうまく噛み合っていましたが

本編では不器用故に噛み合っていないのがあまりにもあまり。

ていうか宿命ルートでは付き合ってるの?

トト様の愛を教えてやるは、あれ告白なの?


おそらくフられたショックから自己嫌悪に陥り、

「神様が糞!」という結論に至り、

世界を滅ぼす気になったのでしょうね。

ねっ、中二病。

宿命ルートで草薙ちゃんの言葉一つで世界が救われたのも

トト様のご機嫌が直ったからじゃ……という疑惑があります。

宿命ルートは何一つ達成感も盛り上がりもなくて酷かったですね。


私は恋愛ルート嫌いじゃないですよ。むしろ好きです。

草薙ちゃんを失ってトト様が成長する話だと理解しています。

知識の神様が幼さ故に失敗して成長するなんて、皮肉で面白いじゃないですか。

トト様はヨスヨスしてあげないとダメなタイプだけど、

ロキが"ずっとそばにいて構って構って!"なら、

ハデスは"ずっとそばにいさせて構わせて構って!"で、

トト様は"寂しくなったらそばにいて構え!"なので、

ヨスヨスするにも面倒くさい感じしますけどね。わっがまま……。


ということでお分かりの通り、トト様ルートめちゃくちゃ楽しみました。

久しぶりに最高にダメなキャラに会ったと思います。

興奮しました。罵ってください。

リアルでは会いたくないです。



【プレイ動機・体感】


ニコ生一挙のときに半分くらいアニメ見て、

それからず~~~っとトト様の顔が忘れられませんでした。

キャラデザが神がかり的好みというのはなかなか合えず……。

今更感はぬぐえないのですが、2017年に舞台化したとは見かけました。

私が言うのもアレだけど、えっ今更舞台化……?


最近、乙女ゲーム好きの女の子と知り合い

「乙女ゲームは癒される」という観点を教えてもらいました。

生活と手にとったエロゲーと本に疲れていたので始めてみました。


夢小説やTL系はちょこちょこ読んでいましたが

乙女ゲームはテニプリとビタミンXくらいしかやったことないです。

まあ多少思うところもあったけれど、面白かったです。

エロゲーはまだちょっと胃の中に鬱が残っているのでしばらくいいです……。



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2018/04/14の感想です。

当時は発売からかなり時間がたっていたので中古。

switch版は一応買って、積んでます。


アニメの感想はこちら。