「ザ・ハント」見ました(ネタバレあり)

ザ・ハント(吹き替え版)


見ました。

いわゆるデスゲーム系の話で、公開前に内容に問題があるからと話題になったそうです。

問題になったのは残酷描写ではなく、政治的な思想の部分。


2019年8月9日、ドナルド・トランプ大統領は自身のTwitterで「リベラルを標榜するハリウッドは怒りと憎悪に燃える最悪のレイシストだ。(中略)。近日公開予定の映画は社会に混乱をもたらすために製作された

wiki:ザ・ハントのページ 最終更新 2021年10月25日 (月) 06:08 より引用)


は、はあ……そうか……。

狩る側は富裕層で、狩られる側は悪口言ったネット民。

そのうちの一人がまさかの同姓同名。

勘違いで連れてこられた屈強な戦地帰りの人が生き残ります。

最初から最後までアップテンポにおバカで笑えました。


動物農場 (角川文庫) 

ジョージ・オーウェル (著), 高畠 文夫 (著) 


実はほぼ直前に、ジョージ・オーウェルの「動物農場」を読んでいました。

こんなタイミングってあるか? 世情もこれだしな……。


手短に動物農場のあらすじを述べると、「動物が農場を支配していた人間を追い出し、その中の頭の回る豚が農場を支配し、支配していくうちに頭の回る豚は人間と変わらなくなってしまう」って感じ。

ザ・ハントにおいては、富裕層が人間で狩られる側が動物農場の豚という図式らしい。

主人公がスノーボールのポジションだからこそ原作の対比とは離れるのかもしれないけど、その場合、もう少し原作なりスノーボールなりに解釈を与えてほしかった。


酷ぇなと思ったのは、豚に「オーウェル」って名前をつけているところ。

いや豚につけるなよ。しかも死にかける豚につけるなよ、原作者の名前。

尊敬してるのかディスってんのかわからんセンスだわ。

ジョージ・オーウェルが生きている人間だったら怒ってるかもしれない。

笑うかもしれないけど。


まったくなにもないとは言わないけれど、目くじらを立てるほどの政主張は感じられず、ほどよいスパイス程度の味かと思う。十五年程度前の「爆笑問題」くらい~それより軽いのでは。

すれ違いコント的な笑いとしては好きだ。


えれほん 
うめざわ しゅん  (著)

政治的主張なら、一昨日くらいに読んだこっちの本の方が強く感じる。「ダーウィン事変」の作者さんの短編集。

過激かつストーリー性抜群。絵もすごい。主張についていいか悪いかはあんまり触れたくないから触らんでおこう。

「世にも奇妙な物語」で映像化するにはちょっと問題意識が強すぎるな……と思いながら読んでいました。

生死や病気などの枷でやや追い詰めてくる突き詰め方をするので、健康状態良好なときに読むのがいいかも。

これを軽く軽くもっと軽く小噺にすると「田中ロミオの世相を斬らない」のボッタ専門学校みたいな話になるのかな。