「異世界テニス無双 テニスプレイヤーとかいう謎の男がちょっと強すぎるんですけど! (GA文庫)」前に読みました


 【ざっくりどんな話か】


全国レベルのテニヌプレイヤーが異世界に転生したら最強でした。



【ネタバレあるよ! あらすじ】


主人公、異世界に召喚されます。最強です。

ヒロインの姉が親を殺して行方不明になっています。

ヒロインの姉は魔王側の人間らしく、敵対するっぽいです。

どうやら主人公の先輩はトラック死→異世界転生をして勇者になっていたそうです。



【登場人物】


:)王助

比較的、なよっとしていないところが好感持てます。


:)エリーシャ

テニヌを怖がるリアクションは可愛かったです。



【世論】


GAのツイッターで見かけて購入を決めていましたが、

買って二週間放置していたら、いつの間にか炎上して続刊停止していました。

アマゾンレビューが大荒れしているので、

ストレスを進んで得たい人は見に行ってください。



【ここもパロディかな?】


「イーグルアイ」や「ゾーン」が出てきます。

これは『黒子のバスケ』でしょう。

おそらく「無我の境地」という単語が使えないため、

現実にもあるという「ゾーン」から黒子パロディを持ってきたのでは。


他にも、『ミスターフルスイング』の蛇神、

『鋼の錬金術師』の「全は一、一は全」らしき行が見られました。

はっきり書かれていないので、思い違いかもしれませんが。



【自己紹介】


やあやあ我こそは日吉若押しのテニヌの夢女です。

新テニスになってから漫画は追い切れていないのですが

旧作アニメは人生に疲れると定期巡回しています。



【個人感想】


読んでみた感想は、最近読んだものの中では頭一つ抜けて面白かったです。

お話として続きは読みたいかなぁというところ。

また、主人公の技にはオリジナリティを感じていて、

特に射手座(だっけ?)はテニヌでも見てみたいと思いました。

ラケットを残してプレイヤーが吹っ飛ぶのは相当面白いと思います。


「作者は不二周助が好きなのだろうか?」という印象。

いえ私も不二は好きだけど、再現されている試合も好きだけど、

そこで強キャラとして出されると……手塚でいいじゃん?

高架橋下で「お前は青学の柱になれ」のほうがよかったんじゃないかと。

なぜわざわざ不二をやたらと取り上げるのかというと、

明らかにテニプリから引っ張ってきた! というキャラクターが他にいない。

あの主人公にリョーマを感じることができませんでした。

リョーマはもっとそっけなくて好戦的だからな……。


あと、設定の矛盾が気になって仕方ありません。

全国レベルのテニヌプレイヤーがトラックにひかれたくらいで死ぬわけないじゃないですか。

トラックにひかれる前によけるか、トラックを手で止めるかしますよ。

妊婦さんを庇ってトラックにひかれたのならばしょうがないけど。

まあ、不動峰は事故にあって実力を発揮できなかったという描写もありました。

でもテニヌの基準が新テニスともなればやはりトラック死は矛盾です。

トラック程度で死んでしまうとは情けない。

本当は雑魚だったのでは?


個人的にはパロディならもっとパロディで笑いたかったんですけど。

「テニヌ」というジャンルのパロディであって

「テニプリ」のパロディはほとんどないに近いと感じました。

パロディは、絵で見せることができない場合、セリフに頼るしかないのか……

という小説の限界もちょっと感じてしまいましたね。

あと氷帝押しとしては一度くらい氷帝のネタが欲しい。

インサイトとか使おうとすれば使えるところで出さないのがモヤッとしました。



【ネット炎上について】


じゃあパロディは?この作品は許されるの?という談義について。

今更では?それ言ったら、まずはアンソロから駆逐しないと。

作者さんのツイッターの言動が一番まずかったかな、と思います。

さすがに芸人が過ぎました。燃えますよ。見ててイラっとしたもん。


ただ、多分、唯一神たしけは打診に行けばすべてを許したと思います。

ジャンプの編集部は知らんけど……。

ラノベの業界の系統的に「それくらいさぁ」だったのだと思います。

エロラノベなんかパロディの勢い半端ないですもんね。

そしてこの度はたまたま一番やべぇところに触れただけなのでしょう。

単純に今回の炎上沙汰は足を突っ込んだ沼が悪かっただけ。



【ライトノベル市場への想い】


ただ、こういうテーマを選ぶことで

より多くの女性を男性向けライトノベルに誘おうとしたのはいいかなぁと。

一般社会でも女性客を掴まないとヒットしないって言いますからね。

「ブギーポップ」とか「キノの旅」みたいな感じに(それ以前は知りません)

性別を選ばず読める十代~二十代の文庫が増えると嬉しいです。

そして、それをもっと軽くよりチャラく流行りのテーマで楽しく読みたいんです。

そういう意味では異世界テニヌ、本当に面白い作品だったのでもったいないという限り。


MF文庫「クレイとフィンと~」シリーズなんかも

あの頃のMFにしては冒険していてよかったなぁと思います。

レーベル自体がその方向へうまく転換できなかったみたいなので残念ですが。

最近のMFは「今月は○○をお題に三冊だしま~す」

みたいなノリがちょっと苦手で遠ざかっています。

たくさん産みたくさん死んでいく、一握りのみが生き残る、

という自然界の生存戦略に近いものを感じます。



【私としては】


まったく違う作品の悪口になるのですが。

リーガルハイをベースにしたと思わしきライトノベルがありました。

作品のここぞ! というところで、

別に古美門先生が言ったわけではないセリフを

主人公がヒロインにそのまんま言い放つシーンが心に引っかかっています。

大切なシーンなんだから、そこは作者の言葉でいいじゃない……

他の部分はまるまる引用したりしてないのに、なぜそこで。

作者との感性の違いかもしれませんが、今だ腹の中でモヤモヤしています。


また、過去話題になった『放課後バトルなんとか』は途中挫折しました。

異世界テニヌは最後まで普通に面白く読めましたよ。すごくないですか。

ちなみに『放課後……』では氷の世界のセリフパロディなどありました。


もう一つ言っとこう。

GAツイッターで同時期に発売していた脱サラする作品につきまして。

編集側が「ライトノベルの半沢直樹」とつぶやいていた記憶があります。

それならばと読んでみたところ、イメージの相違があり、

それさえ聞かなければこれほどモヤッとしなかったということもあります。

お仕事を頑張る人のすべてが半沢直樹ということか。

やられたらやり返す、ざまあみろ、の部分が半沢直樹だったのだろうか。

編集側のあおりはあんまり信じないようにしよう、と思ってしまいました。

やっぱり本は本屋に行って地道に探すのが一番いいですね。


こういうもやもや抱えながら読書するのもちょっと悲しいですね。

パロディとか○○風って大好きなのですが、

読む側のこだわりのポイントというか、

作者との相性が悪いと地雷になるんでしょうね。



【結論】


テニプリの異世界に行く同人アンソロジー出してくれ。読みたい。

テニプリ一家ノリで構わん。くれ。

あとまとめて悪口言ったらすっきりしました。


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発売直後に読みました。

一連の騒動はアレですが、テニプリの異世界転移はいまだに読みたいのよ。

バックアップの日付は2018年4月30日でした。